同志社大学

固体同士の接触面を低摩擦化するためには潤滑油が欠かせませんが、そのメカニズムの詳細は長い間謎のままでした。それが計測技術の発展に伴いその謎が徐々に明らかになり、固体面と潤滑油の間に形成される「境界潤滑層」の役割は極めて重要であること、そしてわずか数ナノメートルオーダの界面構造が摩擦係数に大きな差異をもたらすことが、近年明らかとなってきました。
同志社大学の研究グループは、他の研究者に先駆けて中性子反射率法のトライボロジー応用に取り組み、金属/潤滑油において潤滑油中に含まれる添加剤が吸着される様子を世界で初めて観測することに成功しました。TRIMNプロジェクトでは、新たな実験手法として中性子スピンエコー法を取り入れると共に、さらに一歩進んだモデルとして金属/境界潤滑層/金属が実際に対向している状態での構造・物性を評価していきます。また、得られた界面の構造・物性はトライボロジー特性と関連付けることによって、最終的には超低摩擦摺動を得るための界面設計指針を提示することを目指します。

メンバー

Tomoko Hirayama

平山 朋子

理工学部 教授
専門:機械工学
役割:潤滑油/金属固液界面のナノ構造解析

 

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同志社大学 理工学部 機械要素・トライボロジー研究室