3分で分かるTRIMN

中性子とミュオンが拓く新しいトライボロジーの世界

トライボロジーとは、摩擦や潤滑といった、物と物が触れ合う場所で起きている現象を研究 する新しい学問分野です。摩擦や潤滑といった現象は、私達の身の回りのあらゆる場所で起 きています。しかし、摩擦が起きているまさにその場所、物と物が触れ合っている所で実際 に何が起きているのかについては、まだわかっていないことがたくさんあるのです。

物と物が触れ合っている界面では、私達の目に見えるマクロの世界から分子や原子といった ミクロの世界まで、様々なスケールの現象が複雑に絡み合って全体の現象を形作っています。 その全体像を知るためには、一ミリの数十億分の一というナノスケールの世界で起きている現 象を、物と物が触れ合った状態のまま観察することが必要です。

私達は、中性子やミュオンという特殊なビーム使って、この摩擦や潤滑という現象を明らかに しようとしています。中性子やミュオンはうまく制御することによって物と物が触れ合ってい るまさにその場所を観察することができ、原子や分子レベルでその構造と動きを解明するこ とができるのです。

そこにはこれまで誰も見たことがなかった世界が広がっています。その世界で起きている現 象への理解が進めば、様々な技術への応用が期待できるでしょう。さらには、新しい物理現 象を見つけることができるかもしれません。中性子とミュオンを使ったトライボロジー研究 は、科学と技術の両面で新しい扉を開く可能性を秘めているのです。

さらに詳しく見る